第二話:製作部オペレーター/Sさんに聞く


田中:こんにちわ。前回見積もりをお願いしましたオリジナル冊子の入稿データを持ってきました。

Sさん:はじめまして。営業から話は聞いてました。ここがオペレータールームです。えっと、データはどのように持ってきてくれたましたか?

田中:ちょっと容量が大きかったのでDVDに焼いてきたのですが。

Sさん:それはお手数おかけしました。見本になる出力もご用意いただいてますか?

田中:はい。営業の方に入稿時に必要とお聞きしていましたので。

Sさん:ありがとうございます。私たちはお預かりするデータと仕上がり内容を照らし合わせて確認する必要があるので。

田中:確かに、こちらが入稿したものと違ったものが仕上がったらびっくりしますからね。

Sさん:これだけは“絶対ない”と言い切れないんですよね。お客さまが用意された最終データと出力見本の内容が違うことって意外とあるんですよ。

田中:お恥ずかしい話、僕も入稿データを間違ったことはありますね。まだ駆け出しの時だったし、当時の上司が気がついてバイク便に渡す直前でデータを焼き直して。その後こっぴどく怒られました。いまでも入稿時はどれだけ急いでいても出力とデータを指差し確認でチェックしてます。もうトラウマですよ。

Sさん:ベテランのデザイナーの方でもありますよ。弊社はデータを直接サーバーへ入稿ができるんですが、入稿フォルダを開けると中に仕上がり見本となるjpgもpdfも入ってない状態で、入稿用のイラストレーターファイルのみとか。これではそのファイルが合っているかどうかわかりませんから、すぐに営業を通して制作者の方にご連絡をするようにしています。

田中:ベテランさんでもありますか…。他はどのようなときにデータ制作者さんに連絡しますか?

Sさん:そうですね、気をつけてほしいのが版サイズですね。ご注文いただいているサイズがB5なのに、データではA5になっているとか。そんなことはないだろうって思われるかもしれませんが、最初のデータを作り始める時に間違っていると、最後まで気がつかずにそのまま入稿してしまうこともあるんですよ。

田中:ありそうですねー。……えっと、僕の持ってきたデータは大丈夫ですか?すごく心配になってきた…。(汗)

Sさん:少々お待ちください。InDesignCS4で組まれているんですね。画像のリンク、フォントのエラーも出てないです。サイズも問題ありません。あとはこちらで出力をして、用意していただいている確認用の出力と照らし合わせて……、はい。問題ないです。綺麗なデータですね。

田中:よかった。でも、改めて一緒にチェックしていくと、本当に色々と確認することが多い作業なんですね。

Sさん:そうですね。ここで間違ってしまうと仕上がりまで一直線ですから、責任は大きいですよ。

田中:データ制作者としても入稿時は心配ですから、お互い胃が痛いですね。

Sさん:そんなことないですよ(笑)。毎日色々なデータを拝見させていただいて、いろんな思いを目の当たりにして、楽しく仕事させていただいてますよ。

田中:さすがプロ!僕も迷惑をかけないようなデータ制作を心がけてがんばります。

Sさん:心配な時はラフで確認して頂いたり、印刷用に加工した最終データのPDFをメールで送ったりしてデータの確認を先にお見せする事も出来ます。特に冊子ものになるとフォントの問題などもありますので、気になることがありましたら一度営業の方へ相談してください。

田中:三進社さんではそういったこともフォローしてくれるんですか?

Sさん:そうですね。弊社は素早い対応を心がけた製品提供のみならず、個人のこだわりや思いを形に残すことを全力でサポートしています。データ制作ができなくとも、私どものデザイナーで対応させてもらいますし、また一度出版したもので原稿やデータを紛失していても、以前に作成した物が残っていればデジタルデバイスを駆使して、データを作り出し復刊させることもできます。

田中:そんなこともできるんですか?例えば絶版本や同人誌でも?

Sさん:可能です。最近ではこちらの洋書を復元しました。100年位昔のバラけた状態の本が元になっていますが当時の本と見比べても遜色はないはずです。

田中:本当ですね!近くで観ても本を元に復元しているとは思いにくいほどの綺麗なクォリティ!

Sさん:せっかくですし、このまま田中さんの冊子ができあがるまで、印刷、製本作業をご覧になっていただきましょうか。それぞれの責任者を紹介しますので、ご質問ありましたらお聞きください。

田中:え!出来上がるまで見せていただけるんですか!?

Sさん:これを機会に弊社の実務内容も見ていただきたいので。これは特別ですよ。

田中:ありがとうございます!

次回

印刷はどうやって行われるのか?編をお送りいたします!

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